今日は、年中行事のなかの「灌仏会」という日です。
でも、「初めて聞いたんですけど」って人もたくさんいるのではないでしょうか?
灌仏会とは、お釈迦さまの生まれた日です。
「お釈迦さまですか…」ってなるよね、きっとね。
そもそも釈迦もブッダも仏もようわからん!って人がほとんどでしょう。
ちなみに、お釈迦さまもブッダも仏さまも、ざっくり言えば同一人物です。
お釈迦さまは、仏教を開いた人物です。
だから、キリスト教のイエス・キリストのような存在ですね。
日本は、さまざまな宗教が争うことなく共存している珍しいとされる国ですが、それでも、仏教の影響は大きいです。

大みそかの除夜の鐘に初詣、お盆や彼岸の習慣や、お墓参り、葬儀においても仏教スタイルであることが多いですね。
でも、「仏教」や「宗教」の話って、センシティブで、難しい話と思われがちですが、キリスト教でもない人たちが堂々と「メリークリスマース!」って楽しめるように、現代の宗教って、もっとカジュアルにあってもいいんじゃないかなーと思ったりしています。
現に、お釈迦さまとブッダと仏さまの違いがわからないということを、「一般常識じゃないか」「日本人たるものそれくらいは」と非難する人もいるかもしれないけど、そもそも、なにを信仰するかが自由に選択できるこの国・この時代に置いて、「日本人なら」ってくくりはナンセンスだし、宗教についてって学校でも詳しく教えられないのだから、知らない人がいたとしてもいいじゃないの?と思います。
それに、見方を変えれば、宗教に興味がない人って、本当に興味がないから、自分の信仰するものを無理に他人に押し付けたり、他人の信仰を批判したりということがないんですよね。
そのゆるさこそが、ある意味、日本人のスタンスであって、それゆえにあらゆる信仰が共存できているんだと思います。
よく、あらゆる宗教が共存することを「多神教」だと思っている人がいますが、それは間違いです。
「多神教」というのは、一つの宗教において神様が複数人いるというもの。
たとえばキリスト教・イスラム教・ユダヤ教は、明確に神様が1人とされている「一神教」です。
仏教は、さまざまな説はあるのですが、最高位がブッダとされているので、個人的には「一神教」だと考えています。
で、ここで勘違いの原因になりやすいのが、日本の神道。
「八百万の神」といわれるほど、日本には多くの神様がいるとされていますが、これが多神教に当てはまるかというと、それはちょっと違うんじゃないかなと思うんですよね。
トイレの神様に始まり、学問の神様、健康の神様、安産の神様などなど、たくさんの神様がいますが、それは別に何かを教えを説いたり、導いたりするものとは少し異なりますよね。
それぞれの領域において神様がいるのであって、それらがひとつになって、何かの宗教を成しているわけではないので。
日本は、仏教も神道もキリスト教も、その他さまざまな宗教も、争いを起こすことなく、共存していますよね。
宗教的意味合いを深く感じることなく、日常的に仏教にちなんだ、神道にちなんだ、その他の宗教にちなんだ行事をしていることが多いですよね。
それは、そもそも「神様なんてどこにでもいるし、何人もいるし、みんな大切だし、だからどっちが尊いとかエライとか、そんなの人間が争おうとするなんて(笑)ねえ?(笑)」ていうマインドがあるからなんだと感じています。
宗教を心の拠り所、道徳、国の教えとして考えている人たちにとっては、信じられないほどのユルさかもしれませんが、その緩さこそが、本来日本にあったオープンマインドネスなんじゃないかと思います。
そして、現代における私は、私たちはどうでしょう?
他者の考え方や感じ方、価値観を「それもありだね」「そーゆーのも楽しそうだね」という目で見れているのかな?と思ったりします。
インターネットや交通・通信技術の普及で、世界中のあらゆる人と関わることができるようになり、たくさんの考え方・価値観に触れるようになりました。
それと同時に、見るに堪えないバッシングや、意見とは異なる攻撃的な主張も多く目にするようになりました。
私自身も、感情的になったり、閉鎖的な思考になっていることに反省することが多々あります。
もっとオープンに物事を捉え、良さそうだなと思うことは上手に取り入れて、苦手だなと思うことはそっとしておくような、おそらくかつての日本人が、宗教に限らず、世界の文化に対してしてきたことを、私もしてみたいと思うんです。
まああえて大衆的に「日本人」という表現は使っていますが、それは、たとえ外国籍の人でも、日本に住んでいない人でも、同じようなマインドを持つ人であれば、通じる話ではないかと思います。
日本には、さまざまな行事に合わせた「行事食」というのもあるので、紹介したり、積極的に日常に取り入れていきたいと思います。
ちなみに、灌仏会の行事食とされるのは、「甘茶」というお茶です。

灌仏会には、全国各地で「花まつり」というお祭りがひらかれ、「誕生仏」というお釈迦さまが生まれた姿の仏像にやさしく甘茶をかける習わしがあります。
お釈迦さまが生まれた時に、天に龍が現れて、甘い雨を降らせて、それが産湯となったと言われていることから、甘茶を産湯代わりにかけるようになったそうです。
ちなみに甘茶とは、そのまんま甘いお茶なんです。
といっても、お砂糖などの甘味料は一切入っていなくて、お茶自体が甘いんですよ。
実際に飲んだことがありますが、ビックリするくらい甘いです。笑
灌仏会でなくとも、もし飲んでみる機会があれば、ぜひ挑戦してみてください!ぜひ!
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