食べものと冬

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今日は、午後から雨がポツポツと降り始めました。ここ数日で気温もグッと下がり、ついこの間までしていた服装だと寒さをしのげなくなってきました

いよいよ冬が近づいてきたな、という感じです。ここ数年、局地的なものはあるにせよ、全体的にずっと暖冬が続いていた気がします。みなさんの地域ではどうでしょうか?

私は寒いのが苦手です。だから冬も非常に苦手です。ましてや雪なんかなるべく降らないでほしい。なぜなら雪かきが大変だから。
冬には雪がそれなりに降るところで育ちましたが、ウィンタースポーツは一切やりません。寒い日にわざわざ冷たい雪のなかで遊ぶ楽しみを理解するまでに至りませんでした。大学生の頃も、スノーボード旅行だけは一度も参加しませんでした。笑

これだけ言えば、私がいかに雪が降るほど寒い冬が苦手なのかを感じていただけたかと思います。

いまいちわからない、むしろどーでもいいと思ったあなたも大丈夫!私がいかに冬が苦手かと今回の話はまったく関係ありませんからねっ!キリッ

◎暖かい冬と農作業

暖かい冬、いいですねえ。暑くない夏、は快適ですが少し物足りないような寂しいような気もしますが、暖かい冬はウェルカムです。

農作業にとっては、とにかく雪かきしなくていいし、雪の重みでハウスの屋根が潰れたり、扉が開かなくなる心配もないし、外作業も防寒に防寒を重ねててもなお震えながらすることもないし、アイスバーンの雪道を出荷する恐怖も減るし、気持ちとしてラクっちゃラクです。

まあでも、ある程度はしっかり寒いし、道路は凍るし、雪かきもしなきゃならないですけどね。回数減るだけで大分ラクになるんですよ。

ところが、農業や作物にとってはいいことばかりでもなかったりします。

例えば、作物ってのは、収穫日から気候に合わせて逆算して種をまいて育てていくのですが、平均より暖かい日が続くと、驚異のスピードでぐんぐん育っていってしまいます。

本来より短期間で採れるなら手間が減るしいいんじゃない?

表面上はそんな部分もあります。しかし、問題の方が多いと個人的には思います。

◎気候の変化と野菜の値段

日本は東西南北、長細く伸びる島国なので、同じ野菜でも地域ごとに時期をずらして収穫することができます。

例えば、春野菜は、南から温かくなるのに合わせて、九州産に始まり、春の終わり頃は北海道産でまかなえるようにして、なるべく旬のものを長期間流通できるようにしているんです。

この気候差を利用することで、全国のスーパーに適期で新鮮な国産作物を長期間ならべられるようになっています。(もちろんこの方法がすべての作物にあてはまるわけではありませんよ!)

ところが!

ある年の冬は、全国的には平均的な気候だったのにもかかわらず、北海道は異常に暖かかった。

こんな現象が起きたとします。

すると、北海道の作物は、例年よりぐんぐん育ち、かなり早めの収穫期を迎えることになります。
結果的に、北関東や東北産と出荷時期が被ることになりました。

カンのいい方はもうおわかりかもしれませんが、例えばこれがキャベツだったら、キャベツが全国で余りだします。

なぜなら、農産物は少なすぎても多すぎても経営的にはよろしくない性質があるので、消費者の需要に応えられる量にロス分も加えて生産されるのが一般的です。

その量で、時期をずらして作ってたものが、同時期にバッティングしてしまった場合、単純に例年の需要の倍量キャベツが出来てしまったことになります
(品質等に関してはまた別のお話になりますが。)

となると嬉しいのは消費者。需要に対してキャベツがめちゃんこあるのでキャベツの大安売りが始まります!

しかしその一方で、長期間まんべんなく食卓に美味しいキャベツを届けたいと願っていたキャベツ農家は大打撃。

適期がズレた北海道だけでなく、本来であれば妥当な価格で販売できたはずの北関東や東北の生産者までもが、大安売り、すなわち値崩れの影響を受けることになります。

さらに、キャベツ後半戦のエースであった北海道が早々に戦線から離脱。

するとキャベツの値崩れ期の後に訪れるのが、キャベツ不足。

本来、北海道が担当してくれていた時期にキャベツが採れないので、キャベツ価格が高騰。

農作物の価格が高騰すると、生産者は儲かっていると思ってる人もいるかと思いますが、実際は、ほーーーーんのひと握りです。例えば、キャベツ不足の時期にキャベツが出せるとこは儲けます。

ただし、施設栽培や、科学技術を駆使した栽培をする作物だと、天候に左右されることが少ないので、大きな価格変動をすることが比較的少ないです。

基本的に、大きな値下げや値上げが起こる年は、全体的に生産者は儲かりません。

だから、日本で言えば、春はゆるやかに暖かくなり、梅雨はそれなりに雨が降って、夏はしっかり暑くなり、秋は涼しくよく晴れて、冬はしっかり寒くなっていただくと、安定した値段と品質でだいたいの農産物が供給されます。

ま、そんな都合のいい完璧な天候の年なんて、ここ数年あった気がしませんけどね!

だから私は、気候の変化や、自然災害にも柔軟に対応できる生産者こそ本物のプロだと思います

◎冬の寒さと野菜の甘さ

よく「寒締めほうれん草」、「雪下キャベツ」なんて聞きませんか?

冬野菜は、寒さと相性がいいものがあります。

気温がどんどん下がり、いざ凍るぞ!って時。純粋な水よりも、なにかが混ざっていることで、凍結しにくくすることができます。

つまり、気温がどんどん下がってくると、野菜たちは、体内の水分を凍らせてはなるまい!と、水分の中に、糖分を混ぜるためにせっせと作り始めるんです!

寒さから自分の体を守るために、糖分をたくさん作るので、寒さにあたった野菜は甘~くなるんです。

よく大根は葉っぱに近い方が甘く、先端ほど辛味があるといいますが、あれは、上の方が土からひょこっと出て、寒さに当たりやすいので、そのぶん甘味が増してると言われてますよ!面白いですねー!

冬を生き抜くために、甘くて栄養を蓄えた生命力に溢れる野菜は、もちろん私たちにもパワーをくれます。

冬に限らず、旬の食べものというのは、こうやって季節に合わせて力強く生きていくためのパワーを持っています。

だから、私も冬は糖分や栄養を蓄えて…というわけには様々な事情によりいかないので、代わりに作物に蓄えて頂いて、そのパワーをお裾分けしてもらう程度に留めておきます!!

やっぱり寒いのは苦手ですが、それも農業にとっては必要な季節。

カッパ着て長靴はいて、雪のなか、人参を掘り出していた頃もありました。派手な色のカッパに、ほぼ覆面状態だったので、やたら目立つ強盗みたいな格好でしたが、そこから採った人参は本当にびっくりするほど甘かった!

苦手な季節にも、少し感謝して、美味しい食べ物を頂いて、ついでにパワーも頂いて、厳しい寒さも耐え抜いていこうと思います!!!

おしまい。

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