東京都で、4回目となる緊急事態宣言がされることになり、もうあちこちから「いや待てよ」「おかしいでしょ」という声が、避けよう無いほど溢れている。
東京都が注目されているが、沖縄でも同様に延長されることになった。
南国・沖縄にとっては、夏が観光のベストシーズンであり、一年の収入を左右する重要な時期。
この決定は、飲食店のみならず、沖縄でダイビングスクールを経営している知人も含め、あらゆる観光業に大打撃を与えることになる。
SNSをのぞけば、「もうおしまいだ」と絶望に満ちている発言や、「もうお酒提供します」という決意表明や、「保証もないし、協力金も不十分」という不満など、さまざまな思いがワーッとなだれ込むように流れてくる。
そんななか、たまに、定期的に見かける意見がある。
「そもそもこれくらいの不測の事態に対応できない経営、協力金に頼らなければならない経営は、最初から積んでいる」
ああ、うん。うん。
言っていることはわかるよ。リスクマネジメントも経営のうちだものね。
ここまで予測しながら経営出来て、資金も潤沢に蓄えてあったとしたら、どえらい経営者だよ。講演会に引っ張りだこだよ。
でもさ、私、こういう発言みるたびに、もうムカムカするんだよ。ムッカムカ。
まずね。
そもそもコロナウイルスがこれだけ長引くことや、経営方法(時短や酒提供等)まで行政から指示されることを、いったいどう予測できたんだろうかってね。
もちろん、災害や伝染病等のリスクは誰だっていつだって予測が難しいものだけど、ここまで政府が経営方針にまで介入してくることなんてあると思ってた?
経営者はこのレベルまで予測して備えておかなければならないなら、誰も自分のお店なんて持ちたくないよね。
やらないのが一番だよ。
そして。
経営力が無いと言われる個人店や中小企業が潰れていくまんまで、本当にいいんだろうか?
まともに営業もできず、集客も出来ず、人数を減らして、なのに対策にはお金をかけて…っていうスパイラルに埋もれてしまうのは、本当に自己責任なんだろうか?
経営ギリギリでも、街の人のため、お客さんのため、どうにかやりくりしていた個人商店だってある。
全然儲からないけど、身体もしんどいけど、来てくれる人がいるから、どうにか営業できるように奮闘していた人がいたはずだ。
それを、「経営能力がなかっただけ」で片づけるの?
あのさ。
そんな世界しんどくない?
会社を設立してから5年後の生存率は約40%と言われている。
つまり、半分以上は5年以内に倒産廃業ってこと。
そのうち、このコロナウイルスの出来事を問題なく超えられるような経営者って、何%いるんだろう?
それって、さらにほんの一握りじゃない?
もちろんね、飲食店はまだ協力金という仮の補償が一応あるけれど、その他の業種はそれこそダイレクトに影響受けているでしょう?
結局残れるのは、優遇されている大企業だけになるのかもしれない。
それが、実力の差なのかもしれないし、現実だと言われてしまえばそうなんだと思う。
でも、それでいいんだろうか。
たしかにウイルスや伝染病は、健康被害を及ぼす可能性があるから対策はしなければならないよね。
そのために、政治は国民を守るための対策を打つんだと思うんだけど。
(今の日本にそれを本気で期待しているかどうかは別として)
でも見ている限り、人を追い詰めているのはウイルスじゃなくて政治、人のような気がしてならない。
人が「人を守るため」と言って、人の生活をコントロールし、淘汰しているようなイメージだ。
もちろん感情論も多分に含まれているってことは自覚している。
でも、感情だって大事だよ。
細々といいものを丁寧に作り続けてきた人たちの暮らしは?技術は?伝統は?想いは?
不遇に慣れるな。
自分で考えよう。
正解か不正解かを判断基準にせずに、自分の頭を使おう。
国は、政策は、絶対じゃない。
もしNOだと思うなら、それは通らないかもしれないけど、NOのままでいいんだ。
自分の考えが正しいか正しくないかはわからないけど、自分の考えを持つことはいつだって正しい。
自分で自分を麻痺させるな。
ネガティブに慣れるな。
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