女正月と呼ばれた頃を思って、小豆を炊く。小正月前夜。

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今日は朝から、涙が両目からポロポロとこぼれていた。

悲しいわけじゃないし、メンタル末期なわけでもない。

目が痛むわけでもなく、ただ本当に、ポロンポロンという表現がこれ以上ないくらい当てはまるように次々こぼれた。

受け止めてくれたのは、計3枚のティッシュ。

目が疲れているのか、乾燥してるのか、たぶん原因はあるのだけれど、超演技派俳優のようなドラマティックにこぼれる涙は、不思議となんだか心地よかった。

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明日は小正月で小豆粥を食べると良いとされているよ。

小豆の赤色が邪気払いになると言われていることから、一年の健康を願って食べられてきたそうな。

あずきには、肌荒れや髪のパサつきを改善したり、爪を強くしたり、血行促進する効果があると言われているので、本当は普段から積極的に食べたい食材でもある。

でも、小豆の料理ってあんまり慣れないし…って人は、トマトとかなつめとかいちごとか、赤色の食べ物を取り入れてもOKさ!

ただ、できれば身体を温める効果がある食材の方が冬にはいい。
たとえばトマトは生だと冷えちゃうから、スープやソースで温めてね。

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ちなみに小正月は、女正月とも言われていてね。

昔はお正月と言えば、年末からおせち作りや親戚やお客様のおもてなしで台所を離れられず、新年のご挨拶周りなどで、なかなかゆっくりすることができなかった女性たちが、15日頃にはお正月ムードが落ち着いて、一旦ゆっくりできることからこう呼ばれていたとか。

私の親は、父が母を労う日みたいになっていて、母の好物を食べたり、外食したり、ほとんど料理しなくて済むようにお惣菜パーティーしたりしてきたので、あえて女正月として楽しみにする、こんなスタイルも素敵だなって素直に思う。

一方、年末年始は夫に負けないくらいダラダラ過ごしていた私は縁遠い行事でもあるけど、ま、でもほらね、お正月はみんなでのんびりワイワイできる方がいいよね。

あまり男女で分けたりしないようにしようって時代にはなったけれど、こうして年中行事として、かつて男性たちと一緒にゆっくり食卓を囲むことができなかった女性たちに想いを馳せることは悪くないことだと思っている。

そういう歴史があって、そこには確かにツラかったり厳しかったり悲しいこともあったんだけど、先人の考え方や行動の変化の積み重ねで、好きな人たちと同じ食卓で好きなものを同じように食べて、誰が偉いとかもなく、お話ししながら過ごせる時代に辿り着いたんだから。

いつの時代も、その時々の苦悩や苦労はあるけれど、どうにか生き抜いて、続いてきたんだってことを忘れずにいたいものです。

そして現代に生きるわたしたちが、「これはよくないよね」「このままじゃいけないよね」ってことを少しでも変えていこうとすることで、何年後、何十年後の未来が、より心地よいものになっていたらいいと思うよ。

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そんなわけで我が家では、明日は小豆ごはんを炊くことにしよう。

それから、さっき豚汁を2リットルくらい作ったので、明日は、なんなら明後日の朝くらいまでは、何にも料理しない。意志は固いようだ。

今回のメンバーは、豚バラ、ごぼう、大根、ネギ、油揚げ、白菜。

特に定番はないけど、個人的に豚汁におけるごぼうは、豚肉と同じくらい欠かせないメンバー。

小豆ごはんと、豚汁。漬物。華やかさはなくても、十分すぎるくらい豪華な定食だ。

これで小正月らしくのんびりだらり、と言いたいところだけど、お正月に散々のんびりしたので、小正月は働きます。

これが現代の小正月のスタイルなのかもしれないな。

さあ、明日もガッツリ仕事しよう。豚汁、頼りにしてるぜ。

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