今年は台風が多く、また被害も大きく感じられます。雨の日自体は少なく感じるのですが、それを短時間で取り返すかのような荒れた天気になることが多い気がします。
台風のせいで、週末の運動会が全国各地で中止(延期)になったところも多いようですね。楽しみにしていた人は、残念。
冷凍食品は愛情不足の印!?
そんななか、SNSでは「頑張ってお弁当を作ったのに、運動会が中止になったおかあさんが、お弁当の写真をアップするも、それが冷凍食品を多用していることで非難されたり、バカにされる」という珍現象が起きているそうです。
これにはもう開いた口がふさがらない、というくらい驚いたし呆れました。というか、笑いました。
バッシングする人の言い分としては、「せっかくの運動会なのに手抜き」「手作りしてあげないなんて愛情がない」「自分がラクすることしか考えていない」などなど。
いや、いいんですよ。そういった意見はあっていいですし、そういう考えで子育てをするのもいいと思います。でも、張り切ってよその人にまで布教活動するようなことではないと思うんですよ。
私も冷凍食品愛用者です
私自身、こういうブログを書いているので、食に対する知識や前向きな意識はある方だと思います。
できる限りは、インスタント食品やレトルト、加工食品に頼らずにごはんを作ることを心がけています。サラダのドレッシングは冷蔵庫に1本だけで、使うのは面倒な時だけ。基本的にドレッシングは使う分だけ作ります。
でも、仕事の時のお弁当は、バリバリ冷凍食品です。ごはんだけ炊いて、あとは全て冷凍食品って日もザラにあります。で、それは全く気にしていません。
もちろん、添加物や塩分量、原材料に関して、まったく気にしていないかといえばウソです。めっちゃ原材料表示とか見ます。
でも、わかったうえで使います。冷凍食品に限らず、レトルト食品やその他インスタント食品に関しても同じです。確認はするけど、食べます。
「手作り>>>冷凍食品」という暗黙ルール
私の母は、とても料理が上手で、学生の頃から社会人でも一時期までずっと、お弁当を作ってくれました。毎日のことなのに、おかずも種類があって、彩りも良くて、もちろんおいしいお弁当でした。
それでも、ちょいちょい冷凍食品が何品かあるおかずに混ざっていて、それが冷凍食品であることはわかっていたんですが、「今日はサボったな」なんて思ったことは一度もありませんでした。
友達のお弁当が茶色いおかず弁当でも、一面のり弁でも、買ってきた菓子パンでも「かわいそう」なんて思ったことありませんでした。
というか、そんな概念がなかった。人のお弁当が手作りかそうじゃないかなんて気にしたことないですもん。
でも、自分の世代がこどもを育てるようになると、こどもの頃は感じられなかった、「親」に降りかかる、あらゆる世間の視線や声を間接的に感じるようになりました。
そのなかのひとつが「手作りは、なによりも尊くてえらくて正しい」という思想。
それが間違っているとは言いません。でも、その通りだ!とも思いません。だって、この声が、どれだけの親を罪悪感で苦しめているか、知っているからです。
手作り≠ひとのぬくもり
私も、手作りのものは好きです。食べ物に限らず、機械で大量生産されたものより、手作業でひとつひとつ作られたものには、それなりの味を感じます。
でも、よくいう「人のぬくもりが感じられる」というのは受け手次第だと思うんですよね。
だって、たとえばお弁当用の冷凍食品だって「せめてお弁当箱に詰めてあげたい!」と願う親の思いを叶えてあげるために生まれたと思うんですよ。
そりゃ、100円ちょっとお金を渡せばパンもおにぎりも買えます。超簡単ですよ。
でも「お弁当を持たせてあげたい」「どうにかおいしく食べてほしい」と思う人がいるんです。
それでも忙しくて、なかなかおかずをたくさん作ってあげられない。そこまで時間がとれない。そんな人、今の世の中いっぱいいます。私だって、子供いなくてもお弁当作る時間、削りたいですもん。
冷凍食品を作る人がいる。より手作りに近く、原材料もわかりやすく、大切な人にも食べさせたいと思える商品を開発している人がいる。
冷凍食品を使う人がいる。時間がないなかでも組み合わせを考えて、お弁当に詰めて、おいしく食べてくれますようにと祈る人がいる。
運動会のお弁当
唐揚げが大好きな子に、お腹いっぱい食べさせたいけど、揚げ物は大変だし自信がない、だから冷凍食品の唐揚げをいつもよりたくさん詰めた!いいじゃないですか。
小学生が3人もいるから、とにかくケンカしないように、楽しいお弁当にしたい。冷凍食品なら一口サイズだし、種類もたくさん用意できる!いっぱい使おう!いいじゃないですか。
運動会の前日は夜勤で朝方まで仕事。炎天下だけど、あんなに練習頑張っていた子供の動画も撮りたいし、睡眠時間を優先して、お弁当は冷凍食品でカバーしよう。うんうん、いいじゃないですか。
お弁当の中身を見てとやかく言うような人は、そのお弁当の、冷凍食品の向こう側にある、精いっぱいで、必死な、けれどもあたたかい愛情が見えていないのかもしれませんね。
お弁当ってのは中身じゃないです。「ごはんを用意する」という行為がもう尊いんです。まして、それが自分以外の誰かに作られたものだとすれば、それはもう、十分愛情弁当と言えると思います。
今週末も怪しそうなお天気ではありますが、延期も含め、運動会の予定があるみなさん!ぜひ、あなたなりの、そのうちなりのお弁当を胸張って持って行ってくださいな。
おしまい。
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