ふきのとう(蕗の薹)で春のエネルギーをいただきます。

すっかり暖かい日が続くようになりましたね。まだ朝晩は冷えるものの、日中はポカポカとして、ついウトウトしがちです。

私には、この時期の恒例行事があります。

それが、お庭のふきのとう採り

冬の間にすっかり枯れてしまった草の間から、春一番、真っ先に黄緑色のつぼみをのぞかせるふきのとう。

山菜大好きな私にとって、ふきのとうの出現が、山菜シーズン到来の知らせです。

なので、毎年この時期が近づくと、まだかなーまだかなー、と庭を覗きながらソワソワするんですよー。

ふきのとうの明るい黄緑色って、もうまさに春の始まりを象徴するような色ですよね!

どうしても景色の彩りが乏しくなりがちな冬が終わり、黄色や緑がどこからともなくふんわり現れ、春が来たかなと思うと、あちこちで次々と赤やピンクの鮮やかな花が咲き始めて、楽しげな鳥の声がして…

自然は、怠けることも、うっかり忘れることもなく、きちんと季節を交代していくんだから偉大です。本当に。

◎ふきのとうを採ろう

ふきのとう、スーパーやレストランでしか見たことない人もいるかもしれません

ふきのとうにも2種類あり、栽培物天然物

スーパーで綺麗に詰められてるものは栽培物が多いです。産直だと天然物が並んでいることが多いかな。

我が家は田舎なので、至るところで見かけます。珍しくもなんともありません。笑

とはいえ、どこでも採取はしません

私には、山菜採りのルールがあります。

※農薬や除草剤などが使用されていないか

ふきのとうは田んぼや畑の回りでよく見られますが、そこは農薬や除草剤が定期的に使用される場所である可能性が高いです。ふきのとうが生えるところは作物を育てる場所でないため、強力な薬品が使われることもなきにしもあらず。

※犬の散歩などがされていないか

河原にもよく生えていますが、犬や、時には人間(!?)の糞尿がされるような場所は避けた方がよいです。よく、糞尿は肥やしのように思われますが、あくまでそれは肥やしとして分解されたり発酵したものであり、生の糞尿は、バクテリアや感染症の恐れがあるので、気を付けなければなりません。

※土地の所有者がわかっているか

自宅の土地なら構いませんが、空き地や山などで採る場合は気を付けてください。持ち主を知っているなら一言断りを入れることも大切です。無断採集はマナー違反なだけでなく、所有者とのトラブルになりかねないので、くれぐれも気を付けましょう。

◎ふきのとうの採り方

ふきのとうは、引っこ抜くこともできます!

しかし、根っこがズボッと付いてきます。これは邪魔ですね。

なので、私はいつも、鎌で根元を長めに切っています。

なぜ長めか、というと、あまり浅く切ると、花びらがバラバラに崩れてしまうからです。

そして、ふきのとうはアクが強いので、切り口がすぐに真っ黒になります。

長めに切っておくと、調理の際、少し切れば、アクで黒くなったところを花を崩さずに切り落とせるんです。

こうして、サクサク採るのは夢中になってしまいますが、くれぐれも採りすぎないように

ふきのとうは、フキが繁殖するためのつぼみです。採りすぎると、次の年から減ってしまいますよ。(経験アリ…)

◎ふきのとうを食べよう!

さあ!まずは、定番の「天ぷら」でいただきます。

薄めのサクサク衣を噛むと、ジュワーっと油と春のみずみずしさが広がって、苦味がジワーっときます。

この苦味がいい。ああ春がきたなあ、と感じます。

ただ、近年、私のなかで定番化しつつあるのが、「塩麹炒め」です。

見た目はたいしたことないですが…てゆうかものすごく地味!!!

作り方はとーっても簡単!

ふきのとうをザクザク刻んで、ごま油で、焦がさないように弱火炒めます。

ふきのとうは新鮮ならそのままでもいいですが、苦味が気になる人はさっと茹でたりしてアク抜きしてからがよいです。

全体がしんなりしたら、塩麹を入れて弱火のまま、なじませるように混ぜます。

はい!これだけ!

ふきのとうといえば、ふきのとう味噌も定番料理です。ただ、美味しいんだけど、私は飽きてしまう。食べきれない。

しかーし!これだとそのままお酒のおつまみにもなるし、ごはんのお供にも、お豆腐に乗せても美味しく食べられるので、私のお気に入りです。

ふきのとういっぱいもらって、ありがたいけど困ってる方なんていたら、ぜひお試しください!

◎春のデトックス隊長

長くて寒い冬が終わる頃、まず最初に現れるのがふきのとう。

ふきのとうの栄養としては、まずはビタミン抗酸化作用のあるビタミンEもふくまれています。

丈夫な骨作りのために必要なビタミンKも含まれているので、出産を控えていたり、骨粗しょう症になりやすいとされる女性には特に必要な栄養素です。

また、腸内のお掃除を助ける食物繊維もふんだんに!ゴボウより多いらしいですよ!

その他、鉄分カリウムなど、現代人に欠かせない栄養素が含まれています。

しかし、ふきのとうにはさらに特別な栄養素が含まれています。

それが、フキノリド植物アルカロイドケンフェロールフキノール酸

フキノリドは、ふきのとうの香り成分で、この香りが胃腸の働き調整して、消化を促進させます。

植物アルカロイドは、腎臓や肝臓の機能を高める効果があるといわれています。

ケンフェロールには、体の免疫力を高め、ウイルス感染しにくくなる効果があるとされます。

そしてフキノール酸は、ふきのとうのあの独特の苦味に含まれる成分です。そしてこのフキノール酸は、咳止めや花粉症に対する予防効果があると言われています。

一説では、冬眠から目覚めた熊が最初に食べるものといわれているふきのとう。

冬の間、運動不足になったり、新鮮な野菜も不足しがち、あまり汗をかかないので水分不足になったりと、体内は停滞しがちです。

そんな冬の間に溜め込んでしまったものを、消化器官や循環器官に働きかけて、体の外に排出させるのが、まさにふきのとう

さらにはふきのとうが出るとすぐにやってくる花粉症のシーズンに備えた栄養素まで兼ね備えているなんて…

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旬の食べものは、人間の食文化が多種多様になるよりもはるかはるか昔から、自然のサイクルの中で、きちんと意味を持って、必要な栄養素を含んで、巡っているんだなあと感じます。

旬の食べものがいいといわれているのは、単に味が良いとか、栄養素が多いということだけでなく、その時期に必要とされる栄養をきちんと補えるように出来ているということなんですね。

まあ、それはまた、別のお話。

これから次々、山菜シーズン突入です!私はワクワクしています!

せっかくだから、一緒に春の味を楽しみましょう!いぇーい!

つづく。

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