『ダルバートとネパール料理』はレシピ本と紹介するには惜しいくらいネパール愛に溢れた良本でした。

「食」と世界
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つい二週間前になるのだけど、ツイッターを見ていたら、なんとも懐かしくて美味しそうな、ダルバートの写真が流れてきた。

私がフォローしている「よく手を洗うツジメシ (@tsujimeshi)」さんのツイートなのですが、なんで目にとまったかって、そもそも検索以外で、ダルバートをSNSで見たことがなかったからかもしれない。

たぶん、ネパールに行ったことがあるか詳しい人じゃないと、ダルバートと聞いて、それがネパール料理だとわかる人はいないんじゃないかと思う。それくらい私の周りでは珍しかった。

ネパールとダルバート

私は、大学生の時にネパールに約一週間ほど滞在したことがあり、その時にダルバートにドハマりした。

残念ながら多くの歴史的建造物が被害を受けたネパール地震より前に行ったので、幸運なことに多くの遺跡や寺院をこの目でみることができたのは一生の思い出と言える。

ネパールは、上は中国、下はインドに挟まれた小さな国で、文化的にはインドに似ている部分が多い国。

そこで全国的に食べられているネパールの定番料理のひとつがダルバートという定食だった。

ごはんに、カレーや野菜炒めやピクルスのようなおかずが並んで、好きなように組み合わせて食べる、ざっくり言えばワンプレート飯。

でもお店によって、同じダルバートは二つもないと言っていいほど種類豊富で、味つけもさまざまだったため、滞在中はダルバートばかり頼んでいた。

普段、旅先ではいろんなものを食べてみたい派なので、どんなに美味しくても同じものを食べ続けるということは基本的にないんだけど、ダルバートだけは別だった。

厳密に言うと、ダルバートは「めちゃくちゃ美味しい」というわけではなくて、同じ名前でありながら、中身は千差万別、飽きることがないまったくの別物なのだ。

いうなれば、同じ「宝箱」なんだけど、中身は全部違うワクワク感があって、たまに「これも宝なの…?」と思うようなものはあれど、ミミックのような大ハズレは無いという安心感もあった。

だから、私にとってダルバートは「美味しい」より「楽しい」に近かったのかも。
もちろん、味も好きだったけどね。

『ダルバートとネパール料理』

そんなこんなで、SNSでトキメキのダルバートを見かけてワクワクしながら見ていると、『ダルバートとネパール料理』という本が6月に発売されていたとな!

ツジメシさんも言っているけど、本当ね、いままでダルバートにフューチャーした資料って本当に少なくて、そして見つけたとしてもどこか専門的な風が強くて、なんだかな~と思っていたんだけど、ちょっとコレは読みたいなと感覚的に反応して、購入。

購入を決めてからちょっとバタバタして後回しにしてしまっていたのだけど、ようやく今日手元に。
わーん、初版本!ちっちゃく、嬉しい。

そして、さっそく読んでみたのだけど、これが想像以上にオススメだったので、日本中のネパール・ネパール料理・ダルバート好きに紹介したい!

個人的には、これほど愛とリスペクトに溢れたレシピ本はそうそうない気がする!

いや、あるけど!でも、ないのよ!(伝われ!)

ダルバートが食べたい、ネパールに行きたい

この本の魅力は大きく上げると5つ。

①写真の美しさ
②ネパールという国や文化についても解説
③再現しやすいように限りなく数値化
④レシピからも伝わるネパール愛
⑤超絶親切なお店紹介のQRコード

①写真の美しさ

とにかく、写真がいちいち美味しそう。
これは料理がテーマの本には欠かせない要素なわけだけど、ポイントは、単純に映えているのではなく、ちょっと影を感じるところなのだ。

まるで、ネパールの食堂で食べているような、心地よい薄暗さのようなものを写真から感じる。

これが意図したものなのかはわからないけど、ダルバートは電力が豊富そうな照明ピカピカのやたら明るいところより、限りなく自然光の空間が似合う(と思う)。

現在は違うかもしれないけれど、私のなかの記憶では、日中でも熱い日差しをほどよく遮った食堂や、レストランのなんとなく青みがかった薄暗さがネパールだ。

そもそもの写真は美しいのだけど、明るすぎない写真の雰囲気が見事にマッチしていて、益々いいなあと思ったよ。

②ネパールという国や文化、食材についても解説

ただのレシピ本と言うのはもったいないくらい、ネパールの国・文化・習慣についても丁寧に解説されていて、感動。

これなら、ネパールに行ったことがなくても、ダルバートを食べたことがなくても、ネパールという国の姿をぼんやりと掴みながら読み進めることができる。

世界料理のなかでは、日本人にとってまだまだマニアックに分類されるであろうネパール料理の本なんだけど、マニアも満足させながら初心者も楽しめる、かなりバランス感覚の良い本だな~というのが素直な感想。

さらに、日本人には馴染みのないスパイスや食材、ネパール料理のベースについても超丁寧に解説してあるので、スパイスとかよくわからなくても置いてきぼりにされた気がしない。優しい。

スパイス多用する系の本って「知らない人は勉強してから出直してください」という雰囲気ガンガン出す本もあるよね?わかるかな。笑

スパイス好きの私でさえ置いてきぼりくらうようなレシピたまにあるけど、この本は、初心者には基本を、上級者にはテクニックを提供しているのがいい。

ただし、無駄な説明のない本は上級者にとっては話が早くまどろっこしくないので、それはそれでちゃんと需要があるんだけどね。

③再現しやすいように限りなく数値化

これ、最近はどんなレシピ本でも見かけるようになってきたけど、「玉ねぎ1こ」「塩ひとつまみ」「醤油ひとまわし」って表現を、「何g」とか「何㎖で」より具体的に書く方法。

感覚で料理が出来ない人にとっては、非常にありがたいと思うだけど、どんなに料理が得意な人でも、異国の食べ慣れない料理を作るときは、目指すべき味の目安がないから、より具体的に書いてもらえると助かる。

この本では、食材やスパイスの量をグラム単位で表記してあるし、スパイスに関しては、配合比率まで解説してくれているのだ。

スパイスって、配合比率によって結構仕上がりが変わるから、ここまで丁寧に書いてくれていると、真似してみようって思えるからいいよね。
わからないと「これで…いいのか…?」ってなりがち。

何度もいうけど、これは初心者にも上級者にもやさしいレシピ本!

④レシピからも伝わるネパール愛

もう、私はここに感動しちゃったんだけど、すべての文章、本の端々から、筆者・本田遼さんのネパール料理愛が伝わってくるんだよね。

ちょっとしたコメントや、調理のコツ、説明から、「あーこの人、心から読む人に知ってほしいんだなー、伝えたいんだなー」って感じる。

彼をそこまで夢中にさせるネパール料理の魅力と、それを育んできたネパールとネパールの人々に対するリスペクトが溢れてる素敵な本だと言える。言わせてほしい。

めちゃくちゃネパールに通って、勉強して、研究して、ひとつひとつ丁寧に考えてきた人の言葉ってわかるんだね。

私も、こんなふうに、想いとか熱、愛が出せる文章がもっともっと書けるようになりたいよ。

⑤超絶親切なお店紹介のQRコード

そして、最後にはネパールでオススメのお店がいくつか紹介されているのだけど、なにこれめっちゃサイコー!と思ったのが、お店ごとにつけられたQRコード。

なにかというと、それぞれのお店の位置がピン付けされているマップのQRコード。

本にも書かれているんだけど、ネパールって、細かい住所がなくて、行きたいところに行くのが難しい街なんだよね。

実際、滞在中もお店を探してググるんだけど、ざっくりとした部分までしか出なくて、あとは歩きながら探したり、人に聞いたりして見つけるしかないの。
(でもネパール人親切だし、辿り着けないことは基本的にないけれど)

でも、このQRコードを読み込めば、ダイレクトにそのお店がピン付けされているので、めちゃくちゃ行きやすいってこと!
この気遣い、素敵すぎる!

ぜひいろんなガイドブックとかでも導入してほしい!(すでにしている?)

間違いなく買ってよかったなと思う本

もし迷っている人がいるなら間違いなくオススメ!
ちょっと気になっているくらいでもぜひ読んでみてほしいとおもう素敵な本でした!いやいや。

想像以上に、といったら失礼かもしれないけど、読みごたえもあって、私は旅行気分を味わるほどワクワクさせてもらいました。

ちなみに、私はレシピ本って、無理に作らなくてもいいと思っているタイプなので、今のモチベーションではダルバートも完全再現はしないと思うんだけど、タルカリとかアチャールなら簡単に作れそうなので、作るとしたらそこらへんかな。な!

ってゆうか作りたい!食べたい!

あと、遠方だからいまは難しいけど、本田さんのお店に行って、ぜひネパール料理も食べたい!実はモモも大好き!ぎゃー!

良い本に出合えました。よきよき。

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